· 

腸は最大の免疫器官

 矢崎雄一郎氏の「免疫をあなどるな」を読みました。がん免疫療法ワクチンのベンチャー企業を立ち上げている元医師でもある矢崎氏が免疫のことをわかりやすく解説している本です。

 その中で氏は「腸は最大の免疫器官」であるといっています。その理由は免疫細胞の70%は腸に存在するからです。

 摂食を司る腸は実は人体にとって外部です。人体を巨大な「ちくわ」と見立てると、口から腸を経て肛門に至るまで腸の内部はちくわの内壁に相当するものだからです。食べ物と一緒に細菌、ウィルスなどを取り入れる恐れがあるため、腸膜には多くの免疫細胞が常在し腸内細菌の働きを助けています。

 腸は消化器官だけでなく、免疫器官でもあるという発想で腸を捉えると、腸は、人体のエネルギー生産だけでなく、人体の防御も司っている「えらい!」器官だと改めて腸を尊敬しました。