「地震の後には戦争が来る。気をつけろ。」これは、坂本龍一氏が故忌野清志郎氏の言葉として紹介していました。
坂本氏は「(ナチスドイツの例を挙げながら)危機は権力に利用されやすい。世界全体で、テクノロジーを駆使した全体主義的傾向が続くのか、ウィルスや細菌と共存しながら民主的に世界を作っていくのか。」とも。
テクノロジーが発達し個人の情報がコントロールされやすい状況では、全体主義的権力は、個人の危機感を煽り、不安や恐怖を解消するための手段だとして、情報を独占し人々をコントロールしようとします。
確かに今のような感染症流行の状態では、感染を抑えるためにテクノロジーによる個人情報(スマホによる位置情報)の管理を国家が把握するのは、予防対策として有効だと思います。
中国ではそれが徹底されていて、国民ももともと全体主義的権力支配になれているからなのか、それに対してあまり抵抗がなく、むしろ進んで個人情報を渡しているようです。
日本でも携帯会社の情報を「個人が特定されない」ようにして、国民の動向をさぐる手段として利用することが許可されているようです。
危機に際してのテクノロジーを駆使した情報管理は、ユヴァル・ノア・ハラリ氏も指摘しているように、情報管理の権限を警察や軍や治安機関に与えないで、独立した保健機関を設立して監視を負わせ感染症対策のためにデータを保管するシステムを構築することで民主主義と共存できると思います。
日本でもそのような機関を早急に設立してほしいです。
ただ、私自身もそうですが、危機的状況に対して、不安や恐怖の状態に耐えられず、何か大きなものに守られたい、安全の保障を欲しいとしいう早急な心が、自由と引き換えに管理を求めてしまいます。多くの人たちのそのような意識が強くなると、全体主義的な権力に集約されていくように思います。
今回のコロナウィルスの世界的な流行が全体主義的な権力の台頭に繋がらないか、危惧しています。
コメントをお書きください