東京の緊急事態宣言解除も後一歩のところまで、感染者数が減ってきました。
でもすっきりしないのは、コロナ感染症の決定的な特効薬が開発されるまで時間がかかることと、ワクチン接種の有効性も高くないようなことが明らかになって、インフルエンザと同じようにコロナウイルスも、人類とこれから共存していかなくてはならない(つまり撲滅できない)病となることが明らかになってきたからだと思います。
高温多湿紫外線の苦手なコロナウイルスの性質上、夏場は感染が下火になるけれども、低温乾燥紫外線が少なくなる秋から冬場に再び感染が増えてくることが予想されることです。
インフルエンザのパンデミックの際も第2波、第3波が生じたようで、これから予想されるコロナ流行の波に対しても気を緩めることのできない日々が続くということです。
社会システムをコロナ感染対策をベースとしたものに再構築していかなければならなくなり、コロナ感染流行以前で当たり前だったものがそうでなくなり、この変化に耐えられないものは消えていくでしょう。
第2波への備えとして、感染防止の行動様式が習慣から文化へと人々の中に定着していくことが必要で、また、医療の体制も、今回のパンデミックを教訓に万全のものとして再構築されることが必要です。
そのためにも、現在コロナウイルス患者を受け入れている病院や、そのために院内感染が生じた病院は、病院経営が悪化して経営継続が困難な状況に陥っているようなので、これから生じるであろう感染流行の防波堤としての役割を担ってもらうために、国は緊急にそれらの病院を支援してくことが求められます。
感染症、バッタ、地震(これは日本だけ)と、まるで聖書の中の出来事がつぎつぎと起こっていると、元教え子(カトリック系の女子高出身)がメイルで嘆いていましたが、現在読んでいる塩野七生著「ローマ人物語」でも帝国が衰亡する帝国末期に、蛮族侵入、感染症流行、地震と、次々と災難が襲ってきて、そのカウンターパートを続けているうちに、帝国内部の人々が不安になり、帝国は内から自滅していく様子が描かれています。
もう1か月以上「ローマ漬け」なので、私の心情は塩野さんのそれが乗り移って完全に「ローマびいき」になってしまっているので、「ローマ頑張れ!」と祈るような思いで、しかしながら結論はわかっているので、悲観的になりつつ読み進めています。そして人々の不安の増大と比例するようにキリスト教が隆興してきて、帝国の取り締まりにも関わらず信者が増大してきます。
教え子のいうように現実が「聖書の中」のような状況になった時、リアリティが強くなり、聖書に書かれた救世主を求める気持ちが強くなるのかもしれません。
とにかく、今私たちにできることはコロナ第2波への万全な備えです。
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