世界各地の長寿地域の食生活を調査・研究されていた家森氏のラジオ講座を聴いています。
氏が調査をした1980年代において、それら長寿地域に共通する食習慣は、
地域特産の抗酸化力の強い緑黄色野菜を毎食に摂り、肉食が少なく、したがって脂肪摂取が少なく、
そしてこれらの地域はみな地域特有の発酵食品(ヨーグルト様のもの)を毎食摂取していました。
さらに資本主義経済が発達していないため、労働は農業の肉体労働中心で、辺鄙な険しい自然の中での暮らしのため、必然体を動かす生活習慣でした。
住民の24時間の尿検査と血圧測定でわかったことは、
短命の要因である脳血管障害の要因になる高血圧の割合が、他の世界の地域に比べて半分以下であること、ビタミンやミネラルや必須アミノ酸を十分摂取できていることでした。
しかし、家森氏が10年後それらの地域を再訪して再調査したところ、資本主義市場経済の波に襲われた地域では、住民の食生活が急速に変化し、その結果、高血圧の割合も高くなり、肥満や高脂血症の割合も急増していました。
それまでの伝統食は脂肪が少なく、資本主義市場経済によって生活が豊かになり、肉食が増え、加工食品やジャンクフードを大量に摂取するようになり、移動手段も車などになり体を動かさないことで、肥満や高血圧や高脂血症の割合が増えていたためと思われます。
人間の脳は、脂肪を多く摂れば摂るほど、脂肪に対する欲求が増していくそうで、一度、脂肪に「魅せられT」しまうと、その誘惑に勝つことが難しくなるということが、これらの長寿地域の住民の食生活の変化からうかがえます。
人類の遺伝子には、飢餓の時代に効率よくエネルギーを摂取できる脂肪の誘惑に誘引されやすい傾向があるため、これに打ち勝つのは指南の技なのだということが彼らの食生活の変化から実証されてしまいました。
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