· 

感覚の記憶

 台風が過ぎた後、急に涼しくなって最低気温は10℃台になりました。

 ほんの数日前まで30度を超す暑さだったのに。

 頭では暑かったという「事実」は記憶していますが、身体感覚としての暑さは現在の涼しい状況では実感を持つことができません。

 暑さ・寒さだけでなく、痛みなどの感覚の記憶も、実際に受けた時の快不快の感覚の様態を、それがなくなった時点で体感として感じることはできないことをいつも不思議に感じています。

 感覚ではない情動的な記憶は、それを感じた時とは違う状況でも、ふとしたことでまざまざと思い出すことがあるのですが。

 でも、実はその思い出したことも思い出す際に「記憶の捏造」が行われているということも知ったのですが。

 頭では今年の夏の猛暑の凄さを記憶していても、身体はもうすでに忘れてしまっている。

 日本のように四季がある気候で暮らすと、現在の気候に慣れることはなくつぎつぎ季節は巡っていくのを感じていくしかないのでしょうね。

 ちなみに、季節の好き嫌いは年齢とともに変化していって、子供の頃は夏、大人になってからもそうでしたが、中年を過ぎるころから冬が好きになってきました。

 年々酷くなる夏の猛暑が耐え難いということもありますが、暖冬と冷え性が緩和されたこともあって、冬が過ごしやすくなったことにあると思います。

 はやく冬よ来い。