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金木犀のかおり

 涼しくなって走るのが快適になってきた早朝の駒沢公園のジョギングの際、

 香ってきました。

 恒例の、あの香り、金木犀の香りです。

 毎年9月の下旬にジョギングコースにある一本の金木犀から、あの甘い香りが鼻孔に入ってきます。

 台風が多い年には、咲いて2~3日しかたっていないのに、一面クリーム色の小さな花が敷き詰められてしまうこともありましたが、今年は長く香りをたのしめそうです。

 金木犀の香りをかぐと、実家の銀木犀の木を思い出します。

 大きな大木で香りは金木犀の強さはなく、ほんのりとした香りで、実は金木犀の香りの強さが苦手な私にはちょうどいい強さの香りです。

 何でも明治生まれの祖母がお嫁に来た時にはすでに植えられていたということで、100年以上実家の庭で毎年花を咲かせているのです。

 大木なので、遠くからも銀木犀の香りが漂ってくると近所の人達の評判でしたが、現在はほとんど限界集落になってしまって、人は見かけなくなりました。

 今年の秋ほど待ち望まれた秋はありませんでした。

 あの猛暑の日々がはるか昔のように感じられる、爽やかな秋を満喫しようと思います。