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群集が狂気になるとき

 韓国繁華街でのハロウィンの群集雪崩によって150人の死者がでた事故は、群集(人の群れ)そのものが物理的な狂気になることを教えてくれました。

 明石市の花火大会で生じた群集雪崩もおなじような状況で生じた事故でした。

 人が集まる密度が生物学的限界を超えると、群集は一塊となってそれを形成している一人ひとりを危険な状態にするというのは、すし詰め満員電車でも経験しています。

 コロナ禍で現在はほとんど生じていませんが、以前は通勤時の満員電車内では、私のような身長の低い者は密着している人の背中に顔を押し付けられて息ができず、また胸を圧迫されて肋骨が折れそうな経験を何度もしました。

 その時に感じた群集への恐怖はまざまざと思い出されます。

 きっとこの度の韓国での群集内にいたすべての人たちが、命の恐怖をじわじわ感じながら、それでも身動きの出来ない状態に陥っていったであろうと、彼らの心境を思うといたたまれません。

 人間の動物的な本能によって危険な密度になりそうな予感に従い、できるだけそのような状態になる前に回避することが大切です。

 集団が群集になるとき、人間自身が狂気になるということを心掛けたいと思います。