一足早く実家に山口県萩の実家に帰省してきました。
認知症の88歳の一人暮らしの母の介護帰省です。
3か月ごとの帰省のたびに、自然豊かな山陰の山間にある実家の周囲の季節の移り変わりが印象的に感じられます。
初冬のこの時期は、稲が育っている頃には緑色、穂が成長してくると茶色に色づく田の色は、
短く刈り込まれた稲刈り跡の薄茶色に代わって広々としていました。
山陰の冬特有の、すっきりと晴れることはない、黒い雲が立ち込めた曇り空と時折の雨がまじる薄ら寒い天候が続きます。
東京に住むようになって40年近く。冬枯れのカラッカラの晴天が続く気候にすっかり馴染んていたので、
「あ~裏日本の天候はこんなだったなあ。」と思い出しました。
陽射しが指す時間が短く、朝明けるのも東京と比べて1時間弱遅く、実家は山影にあることもあって、午前中は家の中が薄暗く、洗濯物も乾きにくく、
冬というと憂鬱な印象を持っていたのはこのような山陰の冬の気候のせいだったと思い出しました。
近年温暖化の影響か、山陰の山間部にある実家付近でも雪はあまり降らないようですが、日本の冬の気候が、「ウラ=日本海側」と「オモテ=太平洋側」が、これほど違うのは、なんだか不公平な気がしてなりません。
生活のしやすさから言えば、断然「オモテ」に軍配があがると個人的には感じます。
しかし、それに匹敵する自然の豊かさ。
大地や海から「生きる」を成り立たせる糧を生み出す豊穣さが宿っているのです。
若い頃にはマイナスの面しか感じなかった「ウラ」の魅力を、歳とってくると感じるようになってきました。
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