エドワード・ブルモア著「『うつ』は炎症で起きる」を再再読しています。
ブルモア氏は著名な精神科医ですが、
心と体は別の者として捉える心身二元論的世界観によって、永らくうつは「こころ」の病とされ、「気の持ちよう」と医療の治療の対象とはなってこなかったのですが、90年代にSSRI系の精神薬が開発され、それが鬱に効果が高いことが臨床的に証明され、今度は一点してうつは「脳の病気」となり、医療治療の対象となってきた変遷がありました。
ブルモア氏は精神科医として臨床現場で治療する際に、医療者がこの心身二元論的観点から患者の症状を捉えているために、うつという病の本態を捉え損ねているのではないかと感じていました。
しかし、体で生じる「炎症」と、体の免疫システムをつなぐ、神経免疫学、精神免疫学という新しい身体の捉え方によって、うつは体の中で生じている炎症によって、脳の免疫システムのバランスが崩れた結果生じるのではないかということが明らかになってきました。
炎症が原因ということになれば、抗炎症剤(解熱剤、鎮痛薬)などが、うつ治療に有効ということになり、これまでの抗うつ剤主体のうつ治療とは異なる治療となります。
この「炎症」という現象。からだが「燃える」をイメージしてしまいますが、慢性炎症は「燃える」というよりも「燻る」もしくは「燃え残り」のイメージの方が合っているようで、身体の様々な臓器が長期間「燃えて」、その結果発生するサイトカインによってダメージを受け、それが疾患となって現れてくるようです。
痛みは「炎症」を知らせるからだのサインです。
痛みを放置せず、速やかに炎症を抑えることが、心身へのダメージをなくすことにつながることを知りました。
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