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マスクを外すか?

 今日から公共交通機関や施設や店舗や遊興施設でのマスク着用の義務がなくなります。

 マスクなんてこれまでの人生の中で小学校の給食の給仕の当番の時に着用した以外、全くする機会がなかったのですが、この3年間ですっかり着用が習慣となりました。

 感染拡大当初は、「あっ、忘れた!」とマスク着用せずに外出してしばらくして、なんとなく違和感を感じて、マスク着用し忘れたことに気づき、何度も家に戻って着用し直してから再外出する羽目になり、時間に遅れそうになって焦ったことも一度や二度ではありませんでした。

 しかし、玄関にマスクを置いたことで、忘れずに外出することが習慣化してしまい、今度はマスクを外して外出する感覚がどんなものだったのか、忘れてしまったほどです。

 マスク着用は、眼鏡使用のわたしにとって自分の吐く息でレンズが曇って前が見えなくなったり、夏場の暑いときは熱がこもって息苦しく、家に戻って真っ先にマスクを外してほっとして息づいたことも。

 けれども、昨今若い世代で話題になっている「マスクを外すことの恐怖」の心理も、この3年間のマスク生活で、顔を隠すことの心理的プレッシャーの緩和効果を体感して、わかるような気がします。

 若い世代の行き過ぎたルッキズムには共感はできませんが、顔の一部=口の部分を隠すということは、女性としていつもリップを塗っていた行為からの解放でもあり、リップを塗るメイクというのは、他者から見た自分の口の輪郭を明確に強調してみせるということであり、その心理的プレッシャーからの解放でもありました。

 私はファンデーションなどのメイクはもともとしなかったですが、マスクでそれが完全に免罪されたようで、他人から見られる自分の顔に対する自意識から解放される心理的解放感は大きかったです。

 だから、今日からもしばらくマスクは着用し続けるだろうと思います。

 マスク着用前と後の自分の顔に対する意識がこれほど変化するとは、意外な驚きでした。