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桜と毛虫

 最近では手入れが行き届いているのか?桜の樹に毛虫が見られることはありませんが、

 昭和の入学式の時、咲き誇る桜の下を歩いていると、必ずといっていいほど毛虫が落ちてきて、

「ぎゃー」と悲鳴を上げることが多々ありました。

 桜の美しさと対照的な毛虫。。。。

 どうして桜の花は、あれほど毛虫が大発生するのだろうと不思議におもっていたのですが、

 その理由がわかりました。

 それは日本の桜の大部分を占めるソメイホシノがクローンだからだそうです。

 江戸時代に品種改良されて生まれたソメイヨシノは、日本にあるすべての樹が、原種のクローンで、だから一斉に花開くのですが、クローンであるために植物が子孫を残すための器官がありません。

 具体的には花蜜を作らないのです。

 よって、花蜜に吸いに来る鳥が来なく、それゆえ、鳥が樹木につく毛虫を食べることがないため、桜の樹には毛虫が大発生したようです。

 桜と毛虫の関係には、桜の出生の要因が深くかかわってきているのだなあと。

 それと同時に、人間にとって都合よく(花の美しさだけを追求)自然を改変することは、やはりどこかに歪さを生じる原因にもなるのだと。

 満開のうつくしい桜を眺めながら複雑な想いにかられました。