ロボット工学者岡田美智雄著「弱いロボット」を読んで、弱さが潜在的に持つ力について考えました。
従来のロボットはできるだけ多く人間の機能を代替するものでしたが、岡田氏のつくるロボットは機能を削れるところまで削り取った不完全とも言うべきロボットです。
しかしそのような「弱い」ロボットは、それに関わる周囲の人の力を引き出し、結果としてロボットを介して豊かなコミュニケーションを生む媒体となりました。
この弱さの持つ力とは何なのだろうと考えました。
私たちは強くなって誰にも頼らないで個として自立することが、望ましい人間像とする社会に生き、そして私自身もそれを目指してきたように思います。
けれども、そのような個としての自立ではない、もっと豊かな、自分の弱さを認め、他者に寄り掛かるのではなく、他者が進んで手を差し伸べてくれるような存在になること、そしてそこに生まれる豊かな関係性の構築こそが求めるものなのではないかと気づかされました。
弱さに開き直るのではないけれども、自分の中の弱さを見つめ、そこから逃げずに、それを受けとめ、その弱さによって他者とどのような関係性をひきだしていけるのか?
新しい視点を与えられました。
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