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触覚

 皮膚科学の泰斗、傳田光洋氏の著作を読んでいますが、皮膚という最大の臓器の知られざる能力に驚いています。

 現代は外界情報の電磁波→脳内元気信号に要因に変換される視覚や聴覚に模したデジタル技術の発達により、五感の中でも、視覚、聴覚に偏重した世の中に益々なってきています。

 そんな風潮で、特に触覚は原始的、曖昧、などの理由で軽んじられる傾向があります。

 しかし、皮膚は外界と体内を分ける境界であり、異物に対する第一のゲートキーパです。

 だから、皮膚はセンサー機能として、脳に匹敵する、もしくは上回る機能があり、実際にそのような働きをする細胞が見出されているようです。

 皮膚は視覚、聴覚情報は、大脳皮質で処理されて、意識の土台になるのに対して、触覚は無意識の土台になっています。

 私たちは知らず知らずのうちに、触覚による影響を受けていて、それが私たちの心に深い関りがあるようです。

 皮膚感覚、そしてそれが送ってくれる信号にもっと注意深くなり、できるだけ、心地よい触覚を得られるように工夫することが、心身にとって大切だと気づきました。