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病も運不運?

 東大医学部教授で放射線医師でがんの緩和治療もされている、中川恵一氏の著作を読んでいます。

 中川氏は、今までがん治療患者3万人近くを臨床で診られてきた経験から、がんの早期発見、がん検診の重要性を訴えてきています。

 その中川氏は、(自身も早期膀胱がんになられた)がんに対して、遺伝5%で生活習慣が50%以上の原因であることに加えて、がんは「運・不運」の病でもあるとおっしゃっています。

 がんは自分自身の体細胞が細胞分裂の際にコピーミスを起こして遺伝子変異を起こしたものが積み重なったもので、それ自身が運であり、それを早期発見できるかどうか、適切な治療を受けられる環境かどうか、相性のいい医者に出会えるかどうかとうとう、どんなに健康に留意してもがんにかかる確率をゼロにすることはできないといいます。

 そうであるならば、がんにかかるのはしょうがないと諦めて、何もしないのではなく、自分でその確率を減らすことー生活習慣を整える、がん検診を受ける等ーの努力をすべきではないかと。

 それは病は、運の要素は大きいけれども、それを少しでもコントロールするようにするということでもあります。

 それは病に対するポジティブな捉え方「自己主体性」を涵養することであり、それによって免疫力も上がり、しいては、病の運の要素を軽減できるということだと思います。