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気象病

 佐藤純著「気象病」を読んで、私たちの身体が、外環境にいかに影響を受けているかが、科学的に解明されてきたことがわかりました。

 東洋医学では、自分の身体が要因であること=内因、外の環境が原因であること=外因、そしてそのどちらとも言えない中間的な要因を不内外因として区別していますが、気象病は、全くの外因とも言えない不内外因にぞくするものだと感じました。

 それは、気象病は、もともとその人が持っていた慢性病が、気象の急激な変化などの要因によって、体内のホメオスタシスの維持に負荷がかかり、それを維持している自律神経の働きが乱れることによって、引き起こされる様々な症状をさしていうからです。

 だから、気象の変化によって引き起こされる症状を緩和するためには、慢性病に対する治療と、気象の変化に対する対処療法と基礎的に身体状態を整えることの三段構えで対処しなければなりません。

 そして今まで特に西洋医学では「気のせい」だと捉えられてきた気象の変化に対する症状が、実は、身体的な根拠があるということ=内耳の機能の不調であるということが解明されてきたことで、具体的な治療法もかんがえられるようになったことです。

 気象病の対処療法としては、抗めまい薬や酔い止めなどが有効だということです。