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21世紀型の感染症がもたらすもの

 コロナウィルス感染流行による緊急事態宣言期間が後1か月程度延期される様子です。

 今年のお正月には、その2~3か月後の今のような現状を誰も予想できませんでした(武漢では去年末にすでに感染が確認されていたようですが)。

 そして誰もがこの事態に対応する社会の様々な変化のスピードに驚いています。

 具体的には元々進みつつあったIT技術による社会インフラへの導入。コロナがなければテレワークがこれほど急速に一機に普及はしなかったでしょう。

 そして人々の行動変容は、外出自粛要請という強制的なものであるけれども、実際にそれを体験して行動制限がいかにストレスのたまるものであるのか、自粛以前に自身の行動に対して自覚的でない人ほど、それを強く感じたのではないでしょうか。

 そしてなによりも最も変わったのは、人間同士のコミュニケートの様式です。ダイレクトなマンツーマンが困難な状況で以前から電話、SNS、様々なテクノロジー媒体によってコミュニケーションを補足していましたが、テレビ会議やZOOM(その実態はよくわからないのですが)など、同じ屋根の下で暮らす家族以外の人とのコミュニケーションがそれらがすべてとなった時、最初は違和感を覚えながらも多分慣れていくのでしょう。

 そうすると、本当に直に人と会ってコミュニケーションする人(家族などごく限られた親密な関係)と、それ以外の関係の人とのギャップが心理的に大きくなっていくと思います。

 内に向かうベクトルは益々濃厚に、外へのそれは益々気迫に。

 コロナウィルス感染が8割の人が軽症化でその病が顕現しにくいということから、ワクチンや治療薬が開発されるまで、また多くの人の免疫が獲得されるまで、感染流行の終息には時間がかかりそうなので、それに適応するための社会の変化と、人々の行動様式の変化が、人々のアイデンティティの大きな変化も引き起こすだろうと予想されます。