50年前、小学校に入学して1か月ほどたったころ、朝礼の時間に女性担任先生が
「今日は何の日だか知っていますか?」と、私たちに問いかけました。
私も含め小学校に入学したばかりの生徒たちは、戦々恐々として、
果たして、何の日だったのかなと思い起こそうとしていましたが、だれもその答えを言い出す子はいませんでした。
すると、先生が
「今日は沖縄が日本に復帰した日です。」と高らかに宣言しました。
「沖縄?」、「復帰?」。。。。
てっきり過去の出来事について問われていると思い込んでいた生徒たちは、文字通り、「今日に起こる出来事」を聞かれたことの意外性に驚き、そして小学一年生にとって、全くしらない「沖縄」、「復帰」という言葉に、
教室全体が戸惑った雰囲気に包まれたことを鮮明に覚えています。
そこから、私の中に沖縄が強く刻み込まれました。
あれから50年、半世紀たったのだなあと、小学生だった自分の50年後、このようにしてあの日を思い起こすことになるとは。
そして、その間、沖縄に対する思いが変わっていったことにも思いをはしています。
現在88歳になる母は、昭和のころ、沖縄が観光の島として大々的にキャンペーンされていた時に、
「沖縄というとどうしても戦争のことが思い起こされて、観光気分で訪れることはできない。」と繰り返し言っていました。
大好きであった、義理の兄がそこで戦死したこともあったと思いますが、
現在はすっかり観光地になっている沖縄は、太平洋戦争末期に激戦地であったという史実も、沖縄という存在です。
沖縄が本土復帰して50年も経ったのだなあと、時の流れをしみじみ感じます。
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