· 

77年前の影

 昨日5月9日はナチスドイツが連合国に全面降伏した日で、アメリカなどの連合国と争っていち早くベルリンを陥落させたロシア(当時はソ連)にとって記念すべき祖国の大勝利の日です。

 先日のブログにも書きましたが、ロシア側の戦死者は推定2000万人を超え、ナチスのロシア侵攻から国土を攻防するために払った犠牲の大きさにおいてロシアは群を抜いて、それゆえに、敵から国を守るということが、国家成立の存在理由となっています。

 そのロシアが、当時のナチスと同じことをウクライナに対して行い、しかもその行為の名目が、ナチス(もどき)に侵略された(ウクライナ領土内の)ロシア領土を解放するためという、なんとも自己矛盾に陥ったもので、侵攻がはじまりました。

 このロシアにとって損失が大きく、国力低下を招くであろう、愚かでバカげた侵略が実際に行われるなんて、プーチン大統領以外西側諸国の面々は考えませんでした。

 しかし、実際に戦闘が開始され、現実にウクライナ、ロシア双方とも甚大な被害が出ている現状。

 絶対に間違っていることなのに、世界中の誰もがそれを止めることができていない現状。

 この度のロシア軍のウクライナ侵攻に、77年前のヒットラーの幻影が今も生きていることを感じます。

 ナチスが行ったヨーロッパ国土の侵略戦争は、2000年に渡る様々な民族の歴史に培われたよーろぱ人にとって、EUによって国家の垣根を超えて統一を試みることは不可能であったのかも知れないと感じました。