デザイナー ナガオカケンメイ氏の朝日新聞ネット版の中で「味わい」と「世界観」について書いてありました。
苗字が同じだからもあるのかナガオカ氏の「ロングライフ」のコンセプトに強く惹きつけられます。
物理的にお金がないこともありますが、私はものを買って所有するということを治療院を開院した16年前からほとんどしていません。
昔からトレンドや新しいものにあまり興味がなくモノに対する執着がなかったこと、人と違っていても気にならない性格もあって、最低限暮らしに不自由なく暮らせるモノがあればそれで充分、ないものは今あるもので工夫して別の用途を考え出して、「ブリコラージュ」思想を実践してきました。
たぶん、人から見たらヘンテコなモノや使い方をしているでしょうが、自分オリジナルな暮らし方のベースとなっています。
それがどんなものであるのか、ナガオカ氏が「味わい」という表現で、身近にある毎日繰り返して使用しているモノが、次第に手になじんだものに経年変化しつづける様を現していることに共感しました。
万人に受け入れられるようなスタンダードな完璧さを目指さなくても、自分なりに愛着がわき、馴染んできて、そのテイストを愛することができる。
それが「味わい」というものだと思いました。
日々目にして触れるモノと自分とが時の流れで融合していきやがて「味わい」としてのテイストを醸し出してくる。
そしてそれらのモノで形作られた「世界観」。
万物は変化し、この世は借り物だと常日頃から感じていて、モノに執着するのはよそうと思ってきましたが、モノと自分が化学反応を起こして生み出した「味わい」とともに、生きているカリソメの儚い時間を共有していくことも、これからの下り坂の人生を、それこそ「味わい」深くしていくれるかなあと思いました。
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