アメリカ大統領選挙投票が始まりました。
今回の投票では期日前投票が1億票もあるということで、即日に結果が判明することはないようです。
郵送による期日後到着の投票についてトランプ氏は無効を主張しているので、
バイデン氏が勝利したとしても、すっきりとはいかないような趣です。
ニューヨークの5番街では、投票後の暴動に備えて店舗のガラスを板で補強している映像がありました。
「アメリカって、こんなに程度の低い国だったっけ?」と、
トランプ氏が大統領になって、アメリカの隠れた文化的伝統であった反知性主義が暴露された4年間でもありました。
もともと移民で、未開の地を開拓してきた人々によって建国されたアメリカは、
建国の理念の崇高さと対照的に、マッチョな文化を礼さんする風潮があるようです。
アメリカ版マッチョな文化が支配的な地域と、知性、理性を重んじるエリート文化とが支配的な地域が、
くっきりと分離していたのがアメリカでした。
世界に配信されるアメリカについての情報は、エリート層の発信するものが大半で、
実際のアメリカを以外の人々にとって、それがアメリカの実態を示しているように思い込んでいました。
そしてアメリカが世界を牽引し、勢いがあった時は、二分されたアメリカ層それぞれに役目があり、
それぞれがアメリカを下支えしていて、各々もそれをアイデンティティとして自負していました。
しかし、アメリカがもはやかつての勢いがなくなったとき、
特にマッチョな文化を支えていた層の凋落が著しく、彼らのルサンチマンが募っていたようです。
それに火をつけたのが、トランプでした。
彼は自身の支持層を固めるために、彼らのルサンチマンをあおり、分断が進められました。
もし今回の大統領選で混乱するならば、
民主主義の根幹である選挙が機能しないということで、
アメリカという国の基盤が揺らぐことになるように思います。
それはすなわち、アメリカの覇権力の明確な低落を象徴することになるでしょう。
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