煽りは車だけではない

　連日新型コロナウィルス感染者数の増加の報道がなされていて、その報道の仕方が視聴者に不安を煽るようなものになっていることを感じます。

　現在の新規感染者数の増加は、以前の状況とは異なることを十分周知しないで、いたずらに数の増加だけを煽っているので、視聴者は必要以上の不安に陥ってしまうと思います。

　数値の急増は、ＰＣＲ検査が以前より受けやすくなったことで感染者数が容易に把握できるようになったこと（裏返せば、以前の感染状況とあまり変わらないのに以前は確認できていなかったこと）、そしてその大部分が２０代～３０代の若い世代で免疫力があり、そのほとんどが症状がないかあっても軽症であること。重傷者の割合が低いために医療体制に余裕があるという事実もきちんと伝えてほしいです。

　この状況は何かに似ていると思い起こすと、福島原発事故の際の放射能のモニタリング数値の報道の仕方に似ていると感じました。

　あの時も、刻一刻と流される放射能の数値に恐怖と不安（特に今回とは反対で幼い子供の保護者）にさいなまれて、必要以上のストレスに苛まされたような気がします。

　必要な感染予防対策をきちんととって日常生活を送っていれば、感染する確率はかなり低く大丈夫であるという報道はなされていないように思います。

　感染者数でなく感染者の都民に占める割合を同時に公表（０．０２％）、きっと人々の不安はもっと少なくなるだろうと思います。

　もう４か月以上に渡る新型コロナウィルス感染の報道がもたらすストレスによって精神的に不安定になっている人も多く、その影響のほうが深刻だと思います。

　人々に真実を伝えその判断は人々の判断にゆだねるのではなく、伝える側の（たとえ善意だとしても）バイアスに意識的になってほしいです。

　真実は何で、いったいそれに対して私たちがとるべき最善の方法は何なのか？冷静に考える余裕をなくさないためには、情報から適切な距離をおく必要があると思います。