新聞の配信ニュースで、オウム真理教の記憶記念館を設立する運動があることを知りました。
事件発生から27年が経ち、記憶の風化を防ぐためだそうです。
オウム真理教地下鉄サリン事件の記憶は鮮明に残っています。
テレビ映像に映し出される霞が関駅の混乱で、いったい何が起きたのか?
それから山梨のオウム真理教本部への強制捜査、次々に明らかにされるオウムの事件と、教団員の逮捕。
犯人たちが、逮捕された幹部たちの経歴が自分と似たもの(国立大理系出身)であったこともあって、
自分がそうなったかもしれない紙一重の可能性もあり、
半年以上、オウム関連のニュースにくぎ付けになりました。
ちょうど30歳の節目を迎え、20代の長いモラトリアムを終え、鍼灸学校に入学して、鍼灸師になるべく学び始めた時でした。
その後、オウム真理教についての本や、逮捕された浅原や幹部の裁判が何年も続き、次第にオウム真理教のことは、私の中でも風化していったような気がします。
けれども、村上春樹の本や、オウム関連の本を読んで、被害遭った人たちの苦しみは今なお続き、
そしてあの事件が社会に与えた影響の大きさは、それからの日本社会を大きく変えたように思えます。
一体全体、一宗教が国内に独立した兵器生産工場を持ち、国家転覆をまじめに考え、実行していたことを、
私を含め国民の大部分が知らずにいたこと。
あれから27年。
オウム真理教は、人間がある集団的な狂気にハマった場合、想像もできないような事態を引き起こすことの可能性を教えてくれた事件として、風化させてはならないと思いました。
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