ビデオで「ビューテイフルマインド」を観ました。
ノーベル賞受賞数学者ジョン・ナッシュの人生を描いたものですが、
天才的な頭脳を持つことの裏腹に、ナッシュは統合失調症を患っていました。
映画では発症前の学生時代のエキセントリックな彼の行動が描かれていていました。
イエール大学の寮での同じようなエキセントリックなルームメイトが、
実は彼の幻覚であったこと、
国防省からソ連の暗号を読むように極秘の依頼を受け、その研究に没頭していたこと。
映画では彼の幻想の世界と現実の世界を、映像特有の効果で区別せずに描いていたので、
統合失調症の患者が悩まされる幻想や幻聴の実態を垣間見ることができました。
自分の目にありありと見えていてもそれは幻想である。
「胡蝶の夢」ではないですが、どちらが本当かわからなくなる、
この実存的な不安は体験したものでないと分からない、世界の崩壊の感覚であると思います。
映画では彼の幻想に振り回される妻の苦悩も描かれていますが、
彼のすべてを受け入れ、治療を受け続けさせるように促すことで、エキセントリックな結婚生活も持続させていったようです。
最期はノーベル賞受賞の際に妻に対する感謝の気持ちを述べるスピーチで終わっていましたが、
統合失調症という実にむごい病を抱えた当人と周囲の人が、病を認識し、それと付き合っていくことの試練を読悔いがいていたと思います。
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