東ロボ(東大受験に挑戦するAIロボット)開発の主任である新井紀子著
「AI vs 教科書が読めない子供」を読んで、衝撃を受けました。
新井氏は、昨今AIが人間の脳力を超えるというシンギュラリティなど、
AI万能論、AIが人間に取って代わるという風潮に警告を発し、
AIを動かしているのは、あくまでもコンピュータを駆動する四則計算のコードであり、
人間の複雑な認識能力を超えることはないと主張します。
しかし、新井氏が警告を発しているのは、
近い将来、AIが人間独自の能力を超えることはないが、
「AIに代替できる仕事」、「AIが得意とする仕事」に関しては、
間違いなくAIが人間の仕事を「奪う」時が来るであろうと。
AIが不可能な人間だけができることとは、
意味を理解する能力であると氏はいいます。
そのためには、言語による文章読解力が必要ですが、
新井氏が主宰する全国の小中高校生を対象にした、教科書レベルの読解力テストの結果が示していることは、
日本の子供たちの危機的な読解力不足でした。
背景には、幼いころから大量の情報に晒されているため、それらのすべてを認識することは不可能であるため、
脳はテキトーに書かれた文章を自分なりの方法で「スルー」する習慣がついているからではないかと、
テストの結果から新井氏は推測します。
このままでは、彼らが大人になった時、「AIに勝てない」と。
しかし、私自身ショックだったのは、本の例文を読む際にかなり苦労したことです。
活字中毒気味で、毎日1冊は読破しているのですが、
もしかしたら、私も彼らと同じく大部分を読み飛ばすことが常態化して、読解力が低下しているのかも知れない。
それは老化による認知の低下とも相まっているのかも知れませんが(笑)。
理解している「つもり」でいることが多いのかもしれないと、
末恐ろしくなりました。
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