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不安への忍耐力

 梅雨前線の影響で日本各地で豪雨災害が生じています。また東京のコロナウイルス感染者の数が200人を超える日々が続いています。また地震も各地で頻発しています。

 トリプル自然災害(コロナウイルス流行も自然災害と捉えて)は、直接被害に合った方々の困難はもちろん、私のような直接被害は受けていないけれども、そのリスクに日々さらされている日本人すべての人の心を暗澹たるものにさせます。

 それはそれらの災害がもたらす状況が、「刻一刻」と変化することに動揺し、終わりが見通せないことに対する不安と憂鬱と、明るい未来を想像できないことです。

 今現在苦しくても、それを乗り越えると楽になれる。明るい未来が待っていると思うと、私たちは苦しい現状を耐えることができます。

 でも今回の自然災害の場合、集中豪雨は近年毎年恒例のように生じるようになってきて、その被害の規模は年々大きくなってきています。そしてコロナ禍は収束の見通しがつかず(ワクチンが開発されるまで)、むしろ再び拡大しつつある状況で、地震に関しては近い将来起こるとされている首都圏直下や南海トラフ地震のリスクなど、この先もこの不安な状態が持続するだろうと予想されることが、私たちの忍耐力を消耗させているように思います。

 誰もが憂鬱な気持ちを抱え、心の底から楽しめる心境になれない。緊急事態が日常のデフォルトになってしまっているこの状況が長時間続くことによる、私たちの精神に耐える影響は、これから先じわりじわりと表面にでてくるのではないかと感じています。