今泉宣子著「明治神宮 『伝統』を創った大プロジェクト」を読んで、「へぇ~」と思うことばかりです。
そもそも大都会都会のど真ん中に、「人工」の杜を創ることが明治神宮の究極の目的であったということに、
表参道が明治神宮の文字通り「参道」であり、それは内苑である明治神宮本宮と、外苑を繋ぐ道でもあったということ。裏参道と呼ばれる道があるということ(知らなかった!)。
数々の明治神宮トリビアが、それらを創った人たちの想いが形に現れたものでもあったということを知りました。
そして杜を創るという当初の目的は、100年経った現在、緑豊かな緑地として完成し、なお維持継続されている
長期的経過を見据えたプロジェクトが成功していることの証だということです。
思えば、30年前、東京に出てきて毎日ひたすら山手線内のあちこちを散策していた時、
秋になり見事に色づいた神宮外苑の銀杏並木に魅了されて、何度も並木道を往復したことか。
そしていつも不思議に感じていたのは、青山通りから赤坂離宮に向かって突如左折して並木道が始まっていて、そして突き当りが絵画館になっていて、外苑銀杏並木の道が、道としての機能を果たしていないように感じられたということです。
けれどもこの本を読んで、あの並木が、表参道~青山通りと内苑と外苑を接続する道であったということです。
日頃なにげなく、表参道とか、神宮外苑など地名として言っていますが、それらは、明治神宮内苑と外苑という二つの巨大モニュメントのパーツであったということです。
そろそろ外苑の銀杏並木が色づいてくる頃でしょう。
今年は、改めて、外苑の歴史を思いながら、銀杏並木の下を歩いてみようと思います。
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