10年前からNHK語学ラジオを毎日2時間聴いています。
20代の頃英語が聴く話せるようになりたくて英語教室にも通ったことがありますが、
字幕付きの映画を観る以外に、日常的に英語に触れる機会はなかったので、
英語文は高校生レベルに読める程度、聴く話すはネイティブの幼稚園レベルでした。
東北大震災で実家の母が災害ラジオを送ってくれて、
それまでラジオを聴く習慣がなかったのですが、
テレビがない生活に、ラジオから流れてくる音が新鮮に感じられて、
すっかりはまってしまいました。
そして、ついでなら英語の視聴をしてみようと、
NHKの語学講座を聴くことにしました。
毎日のルーティンにするために、ヨガストレッチの時間に、パソコンのスクリーミングで、
ランチの時に、おやつの時間にと、
「ながら」聴きですが、ほぼ毎日10年間続けて、実家に帰省しているときなど、
その習慣が崩れてしまったときは物足りなく感じるほどになっています。
で、肝心の英語力は、
なさせないほど上達していません。
ただ聴くだけではだめなのかなあと思っていましたが、
今井むつみ著「英語独習法」を読んで、
よく言われる「浴びるように英語を聴き続ける」というリスニングの方法は、
脳の認知機能構造からして不効率なやり方だと知りました。
外国語を習得するには、とにもかくにも、語彙を理解すること。
それもただ日本語と対照した意味を暗記するだけでなく、
その語彙をその言語ネットワークの中で面として理解することによって。
つまりどのような場面で、どのような時に使われるかを理解して、
その上で、多読や多聴が有効になるということです。
知らなかった、10年の時間を無駄にしたような気がしました。
そして日本語は名詞の言語なのに対して、英語は動詞の言語であるという違い。
日本語は動詞単独で動きを表現しないのに対して、英語は動きを単語だけで表現し、方向は前置詞で表現するということ。
ラジオの英語講師の方が繰り返し「英語は配置の言葉。構造で表現する」といっていることの意味がはじめてわかりました。
そして英語を聞き取ることを困難にしているのは、そのような「日本語スキーマ」でもって、英語を聴いているからであると。
英語を理解するには、自分の中のの日本語スキーマを認識し、英語のそれとの違いを常に意識して、英語スキーマに作り借るという、非常に脳に負荷のかかることをしなければならないということ。
外国語を習得するのは、このような脳の作り変えも要求されることなのだと痛感しました。
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