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疑心暗鬼

 コロナウイルス新規感染者数の急減が止まりません。

 去年の11月以来の低さだとか。

 急増の場合は、もちろん危機として意識されますが、急減の場合、安心、安全の良き現象として取り上げられるのではないんだなあと。

 たぶん私と同じく事態をどう解釈していいのか戸惑っているからだと思います。

 そして、もう1年半の間、5回も流行の波を繰り返してきただけに、「きっとまた。。。」という疑心暗鬼の気持ちになっているのではないかと。

 「もう騙されないぞ。(ウイルスに?」とも。

 この一年半、私たちは、目に見えないウイルス、けれども、疾患としての目に見える現象という、因果関係を五感で感じることはなく、イマジネーションで補うという、なんともモヤモヤとした宙ぶらりんな状況に陥らされてきました。

 私たちが把握できるのは、感染者数という結果だけであり、それも、100%確かな因果関係を持てない。

 現在の感染者数急減も、その思いに拍車をかけて。益々「訳が分からない」気持ちが募っています。

 そして、この1年半待ち望んでいた「完全にコロナウイルスフリー」な状態は、例え、感染者数がゼロになっても、少なくとも私たちの心からはないのだと、実感しつつあるところです。

 コロナウイルス感染が私たちに植え付けたものは、ヒトがヒトである根源であるヒトとヒトのコミュニケーションが、命を奪う狂気にもなりうるものであるという恐ろしい現実であると改めて感じました。