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覇権の転換

 ラジオで中国現代政治の専門家が、今回のコロナウィルス流行によって、世界の覇権が転換するかもしれないと予測していました。

 中国で発生したこの新型コロナウィルス感染流行は、瞬く間に世界全土に広がり、現在ヨーロッパやアメリカ、日本などの主要先進国でパンデミックを引き起こし、政治・経済をはじめとする国のすべての機能がショートする事態になっています。

 その一方、中国は、2か月間の国家による都市封鎖を武漢をはじめとする主要都市に行い、国家総動員して医療体制を整え、流行を抑え(と、宣言している)、現在徐々に封鎖を解除し、いち早く経済活動や市民活動を再開しています。

 そして現在流行によって機能不全に陥っている他の国々へ、医療救援や経済援助を行い始めています。

 中国に対抗していたアメリカは、現在感染者数、死者数が世界一となって、もっとも被害の大きな国になっています。

 元々アフリカや中南米などの発展途上国などに中国は資源開発援助を積極的に行い、その結果これら国々を借金漬けにして、事実上経済的植民地化戦略を国家的に進めていると危惧されてきました。

 今回のコロナ流行において、中国はその対象を先進国に広げてようとしているのではないかということです。

 コロナ流行を封じ込めるためには、強権的な国家による国民の統制が最も効果が高いということを国民自身が実感し、中国のようなやり方の「成功?」を、他の民主主義の国々の人々も、自身の政府の指導力の弱さと、中国からの援助の実感によって、内心忸怩たる思いを抱えながらも、現実主義的考えに抵抗するのは困難になってしまうのではないかと思ってしまいます。

 ただこのような事態の発端は、感染初期の兆候を国家によって隠蔽したことであることを忘れてはいけないと思います。中国の人々も感染の被害者であることはまったく別の次元で。

 感染症という自然に対して、国民一人ひとりに主権があり国家を運営しているとする民主主義的政治体制は全く無力なのか?その答えは、現在日本で行われている「ゆる~い」(とされる)自粛が、効果を上げるか否かだと見つめています。