神経学者石浦章一氏の「病気にならない人の習慣」の中で、
「健康な人は遺伝半分、健康半分」という言葉がありました。
私たちは両親から二分の一、祖父母から四分の一の遺伝子を確実に受け継いでいます。この設計図によって私たちの身体が作られているので、その影響はぬぐえません。
しかし、遺伝子を受け継いでも、その後の生き方によって、その遺伝子がオンになったり、オフになったり、また変異したりしてその発現に影響を与えるため、遺伝は絶対的なものでもありません。
石浦氏は遺伝は親から受け継いだ「体質」のようなものだと考えて、病気の予防指標にすればいいと言っています。
確かに両親や祖父母の病気の履歴や生活様式は、自分自身の健康管理の重要な情報となります。遺伝的影響が絶対ではなく、そのままの状態では両親や祖父母と同様な病気にかかりやすいと留意し、生活を改善するだけでも、疾病確率は減ると思われます。
「遺伝半分、健康半分」。この言葉にはそのような意味が含まれていると思いました。
また石浦氏は才能に関しても、「遺伝半分、努力半分」と言っています。せっかく素晴らしい遺伝子を受け継いでも、努力せず、のんべんだらりと過ごしていたら、それを開花させることはできないということです。
私たちは遺伝の影響から完全に逃れることはできませんが、それは良いことも悪いことも、それが変えられるのか、変えられないのか、その情報を合理的に判断する材料として利用すれば、生き方に利するところがあると思いました。
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