ネット・キャリー著「エピジェネティック革命」の中で、授精によって父親、母親双方から染色体を受け継ぐのですが、XXである女の子の性染色体の場合、一方(父親、母親からを問わず)のX染色体が不活性化されるということを知りました。XYである男の子の場合はそのままです。
X染色体は神経細胞をつくる遺伝子が1300個も乗っているのですが、Y染色体はそのほとんどの遺伝子を進化の過程でX染色体に引き渡してしまったため、残っているのはSPY遺伝子、つまり男の性を決定する遺伝子など少数のものに過ぎないようです。
遺伝子の働きは複雑で、その上この本にも書かれているように、遺伝子に変化はなくても、母体や生育環境においてエピジェニックな装飾が施されて発現が変化するため、単純に考えることはできませんが、X染色体(脳神経細胞の遺伝子を多く含む)は両親のうち片方だけの遺伝子しか受け継いでいないということなのか?と思いました。
性格や頭の良さ、運動神経などで、先天的に影響する部分において、片方の親の遺伝的傾向が強く出るということなのでしょうか?
女の子の場合は50%の確率で、男の子の場合X染色体は100%の確率で母親の遺伝子を受け継いでいるのでしょうか?
ということは、男性の性格は母親似であることが多いのでしょうか?(神経細胞のすべてがX染色体にあるわけではないので、かなり単純化されていますが)。また、精神疾患など遺伝的に影響の高い神経系の疾患は、母系的に受け継がれる(母親自身は顕在化しない)確率が高いのか?血友病や筋ジストロフィー症のあるものは、X染色体に遺伝子異形がある場合に、男の子だけ発病するように。
このように考えると、男と女は遺伝子レベルで発現の攻防を繰り広げているのだなあと感じます。
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