3か月おきに介護帰省した後、いつも嫌な気持ちになるのは、母との接し方です。
認知症が進んできて物忘れがひどく5分前のこともすっかり記憶にない母は、
何度も壊れたラジオのように同じ話を繰り返し、何度注意しても同じ過ちを繰り返します。
話は聞き流し、間違ったことは注意するのですが、
その都度イライラし、時には「何度も言っているでしょう!」と口調がきつくなってしまいます。
相手は認知症という病気なので、本人にはどうしようもなく悪気があってしていることではないと、
頭では納得しているのに、気持ちがついていきません。
けれども、母を叱責している時に密に気づいたのですが、
怒ることに快感を覚えている自分にです。
私の母娘の関係は、母が認知症になるまでは、心理的に母が優位な立場に常に立って、娘である私は母のことにたいして否定したり、口答えしにくい関係でした。
けれども、認知症になった母はすっかり気弱になり、私の反論に対しても素直に逆らわずにいます。
長年馴染んだ関係性のため、なんとも居心地悪く、自分の態度に嫌悪感を覚えてしまいます。
そして母のように弱い立場にある人にたいして、居丈高になるのは、母に対してなので、
きっとこの怒りは、長年の母に対する思いが積み重なってきているものと思われ、
なかなかコントロールすることができません。
そんな時、花村蔓月氏の闘病記の中で、氏が老いた母を引き取ったものの、母に対して邪見に扱ってしまう自分に対して、幼少期母親に甘えられなかったことからくる渇望感だと自己認識しているのを読んで、
自分も幼少期、母に駄々をこねたくても許されなかった欲求不満が、57歳の今になって噴出しているのだということに気づきました。
だから母に怒りをぶつけるのが快感なのだと。
介護は精神的な成熟を必要とすると、自分の幼稚さを鑑みて反省しました。
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