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怒りのトリガーをひかせない

 ダグラス・フィールド著「激情回路」で、怒りを引き起こすのは、怒っているその人にもたらされるさまざまなトリガーによって情動を司る中枢である扁桃体が活性化し、脳の様々なネットワークと結びついて、怒りの行動が引き起こされることが解説しています。

 トリガーは扁桃体の活性化を生み出し、その行動を引き起こすことが子孫を多くことに優位であるという進化によってヒトの脳に形成されてきたシステムで、すばやく発動するために意識を介在せずに無意識に行われます。

 トリガーによって扁桃体には不安や恐怖の情動が引き起こされ、それが様々なホルモンや神経伝達物質の分泌を促し、激しい怒りの行動が引き起こされます。

 現在新型ウィルス感染流行に伴う、様々な社会現象の中には、感染を疑われる人に対する(行き過ぎた?)怒りの反応が多く生じています。

 これは見えないウィルスが引き起こす現象がトリガーとなって、扁桃体に作用し、不安や恐怖から怒りの反応が無意識に生じているからだろうと考えます。

 怒りのトリガーをひくのではなく、不安や恐怖の実体を客観的に捉え、怒りの反応ではなく、冷静で適格な判断ができるようには、SNSなどの情報源の信頼性が薄い情報ではなく、信頼のおける専門家を見極め、そこから正確な情報を入手し、自分自身の考えで判断する情報に対するメディアリテラシーが必要だと思います。