金田信一郎著「がん治療選択」を読んで、現代の医療における命は情報によって決まるのだなあと感じました。
元記者でライターの金田氏がいきなり嘔吐を伴なう体調不良を感じて地元の内科を受診し、胃カメラの検診で食道がんの疑いがあると告げられて、推薦状をもらい東大病院で受診してから半年間のがん病闘記です。
当初はほとんど食道がんについての知識もなく、医師が進められる治療法に従う他ない状態で、ベルトコンベアー的に手術が執行されるプログラムが、患者の意向を無視して進められました。
記者という職業柄、徹底して調べて、納得して、自分の生き方にそう治療法を選択したいという強い思いから、信頼のおける一流の医師であると評価する手術担当医に反して、転院をし、結局、手術なしの抗がん剤と放射線治療によってがんを消去するという非侵襲的な治療法を選択しました。
それは手術によるものよりも生存率は若干低くなりますが、フリーのライターの仕事を続けるために肉体的に支障の少ないと金田氏自身が選択した方法でした。
情報収集法、関係する知人のコネ、医者へのインタビューなど、長年の記者経験から、自分の納得する医療を求める手法は、一般人では難しいと感じましたが、心底強く望んで行動に移せば、自分自身の納得いく治療が選択できる可能性もあるのだとも感じました。
そして現代の医療では情報こそが命を左右するのだとも。
とするならば、自分の求める正しい情報をいかに手に入れるのかが鍵となると思いました。
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