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以前の暮らしへの戸惑い

 東京などを含む18の都道府県以外の全国の県に出されていた緊急事態宣言が解除されることになりました。

 東京はまだですが、来週中にはもしかすると解除の宣言がなされるかもしれません。

 それを聞いてほっとすると同時に、なんとなく手放しの解放感がない、曖昧な気持ちになったのを自分でも意外に感じました。

 それはたとえ緊急事態宣言が解除されても、まだまだ感染のリスクがあるため、予防措置をこうじながらの生活復帰であるため、制限があるということ。

 それを抜きにしても、うれしい気持ちが心の底から湧いてこないのは、なぜでしょう。

 今回のコロナ禍によって、私の場合3月以降仕事はほぼ休業状態で経済的な被害はもろに被っているのですが、その一方、元々自宅自営のため、生活習慣に多いな変更をすることなく、外出を少し控えて、感染予防のためジョギング中のマフラーや買い出し時のマスク着用などのする手間と不自由があるだけで、むしろ誰にも邪魔されず、100%自分だけの時間を好きなことに(読書)費やすことができる生活を満喫して、すっかりこの快楽に慣れきってしまっています。

 睡眠時間もそれまでの6時間から7時間に延長。以前は夜3時間経つとトイレに目覚めていたのですが、明け方まで(それでも6時間経つと目が覚めてしまうのですが)熟睡できるようになりました。日中の眠気もなくなりました。

 何より自由な時間のすべてを読書に費やすことができ、図書館で借りた10冊を読み終えた後は、大家さんにお借りした塩野七生氏の「ローマ人物語」文庫版30巻+単行本3冊を読破中。現在22巻目に突入。

 2000年前のローマ帝国の時代にどっぷりとはまって、21世紀の世界が遠い世界に感じられるようになってきています。

 でも、コロナが収束したら、また以前の生活が徐々に戻っていくでしょう。

 コロナ禍下の生活を満喫し過ぎたために、元に戻る意識のハードルが高くなっているだけで、またすぐに慣れてしまうのでしょうが。

 思いがけない人生の長い休日の残り少ない日々をせいぜい味わいつくそうと思っています。