料理家栗原はるみさんが、夫亡き後の心境を語っている記事を読みました。正直、なかりやつれて見えて、現在グリーフケアの真っ最中なんだなあと感じました。
期間料理本「HARUMI」を毎号立ち読み(出張治療の前の時間合わせの時に)して、そのユニークな料理の発想にいつも感心して、おいしそうで作りやすい料理はさっそく試して作ってみます。
はるみさんのレシピは、意外と、ダイエットとは無縁で(そういえば彼女の料理本にはその言葉はないなあ)、昨今のカロリーを気にした素材や調味料の使い方ではなく、しっかりとおいしくなるためにはふんだんに高カロリーのものも使用していて、そのトレンド風な見た目とは異なり、昭和の味付けを感じます。
そしてその通りにつくると本当においしくできるので、はるみさんの料理本に載っているレシピは愛用しています。
彼女の料理家としての特徴は、原点が主婦であること。実はかなりハードなキャリアウーマンである料理家であるにもかかわらず、彼女の打ち出している料理イメージは、「ごちそうさまが聞きたくて」の彼女の人気本の題名が示すように、愛する夫に作る家庭料理であることにあります。
著書の中でも必ず夫に対する言及があり、料理を通じて愛を育んできた夫婦だなあと、独身の私はうらやましくなります。
だから昨年の夏夫である栗原氏が肺がんで亡くなったと知った時、はるみさんはショックだろうなあと心配していましたが、「HARUMI」の冬号は、巻頭に夫の死のことにちょっと触れただけで、いつもの彼女独特の創作料理が同じレベルで掲載されていたので、元気に仕事を再開したのだなあと安心していました。
でも、記事を読むと、夫亡き後の喪失感に「打ちのめされて」、ボロボロ状態であったことを知りました。
それは彼女自身も自覚していなかった、夫への依存ゆえだったとのことです。
人はその人に依存していたということは、その存在が無くならないと心底理解することはできないものなのだと、私自身、深く依存している対象が喪失してから、その喪失感がなくなるまで、足掛け8年!もかかった経験からそう思います。
はるみさんがしっかりとグリーフケアを終えて、再びの活躍する日を待っています。
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