瀬戸内寂聴さんがお亡くなりになりました。
99歳、100歳を直前の大往生でした。
寂聴さんは、50歳過ぎまで小説家の瀬戸内晴美として、そして出家し、瀬戸内寂聴として僧侶として、
以外にも、小説家になる前までは主婦としての顔もあった、様々な顔をお持ちの方でした。
良妻賢母の教えを受けて結婚し、当時の北京で官僚の妻であった氏は、終戦の報を聞いた時に、
「これで自由になれる」と強く確信されたということ。
その後の氏の人生は、離婚、家庭を捨てて、身一つで小説家として自立し、様々な恋愛を繰り返し、そして出荷と、誰もが経験できない波乱万丈の人生でした。
小説家としての氏の作品(私は「美は乱調にあり」が好きでした)に描かれる登場人物のパッションは、氏の生き様そのものを反映しているようにも感じられました。
氏の同時代の女性が体現できない「自由」を、身も心もボロボロになりながらも実践されていたように、
氏の生き様そのものが小説であったように感じられました。
僧侶となってからは、それまでの自己から解き放たれ、他者の為に、他者を受け入れる器として、ご自分を位置づけ、特に社会の常識とかけ離れたことで悩んだり、非難されたりする人の駆け込み寺のような役割を果たしておられたようです。
氏は自身のもとを訪れるすべての人を肯定し、承認され、勇気づけていました。
それは氏のそれまでの生き様が担保となって、説得力があったからだと思います。
女性としてこんな生き方が可能なのだ。と氏の自由で強い、そしてしたたかな生き様に教えられること多々でした。
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