小林武彦著「DNAんp98%は謎」を読むと、「非コードDNA(遺伝子でないゲノム部分)」は、「ジャンク」ではなく、実は遺伝子の働きを陰で支える縁の下の力持ち的な働きをしているのだと知りました。
ゲノムの中で直接遺伝子をコードしてタンパク質を作り出す部分は2%しかなく、その他98%は何のためにあるのかわからないとされてきました。
だから役に立たないもの=ジャンクDNAと呼ばれることもありました。
非コードDNAのでたらめであったり、冗長な繰り返しであったりするのは、トランスポゾンと呼ばれるウィルスがDNAに入り込んだ痕跡のようです。つまり私たちのDNAの大部分がウィルスの痕跡であるということで、コロナウィルス感染を恐れる私たちの体の中は(発症して体に危害を及ぼすことはないとしても)、すでにウィルスと共存しているのです。
非コードDNAの主な役割は、コードDNAの働きの調節で、遺伝子が変化しにくいために外界の変化に対して柔軟な対応がし辛いのを、装飾やコードを停止させたりする働きでその働きを変化させ、それが適者生存であったならば進化の要因となってきました。
非コードDNAの影響を大きく受ける部分は脳神経細胞のようで、だからこそ脳は進化し続けるようです。
自らは表に出ないで、陰で主役=遺伝子の働きを支える非コードDNAのような存在は、決して「余分」なのではなく「余裕」なのだと。改めて余裕こそが進化を促すことを知りました。
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