コリンズ・ベイ著「プリズン・ブック・クラブ」を読んでいます。
ジャーナリストであるベイ氏が友人に誘われ、刑務所で囚人向けのブッククラブ(欧米によくある読書会)に参加した体験記が記されています。
自身も強盗事件の被害に合ったことから、刑務所で囚人たちとブッククラブをするのにとても抵抗があったようですが、囚人たちの読書欲と、作品を深く、彼ら自身の体験にひきつけて読む姿勢に感銘を受けて、次第に刑務所の読書会にのめり込んでいきます。
読んでいて驚くのは、囚人たちは犯罪を犯して刑務所に収監されるまで、本を読むという体験をほぼしてこない生活を送ってきたにも関わらず、刑務所という閉ざされた、することもない、有り余る時間の中で、じっくりと活字に向き合い読む体験を持つようになって、読書の喜びに目覚めたということです。
彼らは本というものに、知的渇望、好奇心、自己探求の手段として、教条主義、知的虚栄心等とは無縁の純粋な「読みたい」という好奇心から向き合っています。
その取り組みは、時にユニークで、彼らの苦難にみちた境遇にひきつけて、独特な読み方をしています。
そして読書会体験が積み重なることによって、今まで閉ざされてきた彼らの知的好奇心が刺激され、彼ら自身の生き方にも変化がみられるようになりました。
私も読書好きで本を2~3時間毎日読まない日はないのですが、彼らほど、真摯な心で、じっくりと読書していないことを自覚しました。
もともとせっかちなので、読み始めたら、読み終わりを想定して、ひたすら読み進めていく。。。。
刑務所という身体が拘束さえれて不本意に自由な時間を得たからとは言え、「じっくりと」何かに取り組む、真摯に向き合う時間の大切さを教えられました。
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