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自己嫌悪

 三か月ごとの山口の実家への帰省から戻ってきました。

 実家では88歳の認知症初期の母が一人で暮らしていますが、デイケア、ショートステイ、ヘルパーさん、宅配弁当、生協個人宅配などの助けを借りて、どうにか一人暮らしをしています。

 帰省するたびに、「怒らないようにしよう。母は病気なのだから。。。」と心に強く命じるのですが、

 今回も何度もキレてしまいました。病気の母に対して。

 もともと一方的に話しまくる人だったのですが、認知症になってさらにそれが加速し、ひたすら同じことを、そっくりそのままの台詞で、何度も(10回以上)繰り返し話しかけてきて、うんざり、煩わしい、やめてくれ~と、

心の中で叫び続けていました。

 いろいろなものをなくして、探しまくることも相変わらず。

 記憶が維持できないので、しょうがないのだと、思っても、怒りが湧き起こってきて、つい口調がきつくなってしまいます。

 私の詰問するような口調に、子供のように怯えて言い訳する母の姿を見て、さらに自己嫌悪。。。。 

 できるだけ離れて、母と話さないように努めました。

 そうしないと、怒りが募って、怒鳴ってしまいそうだからです。。。

 母は認知症なのだからしょうがない。

 子供のようになっているのだから。

 怒りを抑えるために、いろいろ自分にいい聞かせて納得しようとしていたのですが、

 母に優しくできなくて、自分の忍耐力のなさを不甲斐なく感じ涙しました。

 けれども、別れる時に、

 「いろいろありがとう。」と母から優しく言われて、ようやく

 「健康に気を付けてね。」と心の底から穏やかに言い返すことができました。

 自分の気持ちを偽らずに、怒りを上手に発散させて、残り少ない母との時間を穏やかに過ごせるようにするにはどうすればいいかと、遠く離れて指南しています。