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事故は理由なくして起こらない

 知床の観光船転覆事故の捜索活動が続いています。

 すでに3歳の子供を含む3人の遺体が発見されていますが、

 残りの乗客・乗務員は、潮の流れが早くて行方不明者の捜索は難航していているようです。

 今回の事故船は去年も座礁事故を引き起こしていたようで、

 安全点検や運行管理に問題があったようです。

 いつも事故が起きた時に、事後処理的に事故以前の問題点が明らかになりますが、

 なぜ、その時に課題解決をしなかったのかと、取材により明らかになった事故原因が、以前から指摘されていたことばかりなので、後の祭り的な虚しさを感じます。

 けれども、自分に当てはめてみると、このような重大事故にはつながらなくても、

 ささいな失敗や怪我などを振り返ってみると、いつもと違う状況で、いつもと違う心理状況で、あせっていたり、強引に物事を進めてしまったり、それを引き起こす要因が必ず見つかります。

 その時にヒヤっとしてり、少しだけ痛い思いをしても、

 たまたま大惨事にいたらなかったから、記憶から忘れ去られています。

 常に最悪を想定してすべての物事に対処できるわけはありませんが、

 実際に惨事が生じてしまったときの取り返しのつかないマイナスと比較して、

 自己チェックの面倒さや、ムダ感を克服して、

 できるだけ余裕を持った選択をしていかなければならないと、

 事故のニュースに触れるたびに心しています。