イーロン・マスク氏の母、メイ・マスク氏の「72歳、今日が人生で最高の日」を読み、圧倒されました。
表紙は白髪でショートヘアに真っ赤な口紅、淡いピンクの光沢のあるセーターを着て満面の笑みを浮かべるメイ氏のポーズ写真。素敵です。
72歳にして現役のトップモデル兼栄養学者として活躍するメイ氏が、自身の半生を語った本です。
自主独立を重んじ、進取の気性溢れた両親の元で育ちました。
なんといっても、20世紀前半、まだ飛行機が一般的でなかった時代に自家用飛行機を乗り回し、家族を引き連れ、カナダから南アフリカに移住、家族旅行は3週間の砂漠でのサバイバル探検であるという、なんとも奇抜でエネルギッシュな家族です。
そのような開放的で暖かい家族の下で育ったにも関わらず、学生結婚しDV夫からの支配的な暴力に苦しめられました。
マスク氏をはじめ3人の子供をつぎつぎと産み、夫の暴力に次第に支配され、無力感に苛まれていましたが、
この状況から逃げ出すしかないと決意し、着の身着のままで家を飛び出し、幼い3人の子供を抱えて、ゼロから全く知らない土地で栄養士として働きながら、大学で修士号、博士号を取得しました。
その一方学生時代にバイトとして始めたモデルの仕事も、収入のためもあり、モデル養成学校を経営するほど成功を収めました。
しかしながら、子供たちがカナダで教育を受けたいという希望を叶えるために、移住を決意し、
また一から事業をスタートし、長い努力の結果、チャンスをつかみ、壮年のモデルとして、栄養学者として、世界中を飛び回る活躍をするようになりました。
メイ氏のモットーは、しっかり計画を立てて、たゆみない努力をする。
家族とは本当に仲が良く、氏の精神的な支えとなっていますが、経済的には彼らに全く依存することなく、自分一人の力で人生を切り開いていく自主独立の精神の強靭さに圧倒されます。
それはメイ氏が自由な精神を何よりも重んじ、それを人生の喜びとして満喫しているからだと思います。
そんな彼女だから、老いの受け止めかたも彼女独自であり、それをチャンスとして、そして老いることがもたらすプラスの面に目を向けて、それにふさわしい自分になるように、日々たゆまぬ努力をされているのが、
「今日が最高」と感じるようになった秘訣だと思います。
その裏には、孤独や不安に耐え、日々の努力を惜しまない、強靭な精神があることも知りました。
71歳のあの輝きの秘密には、自由であることの孤独や不安を克服し、その喜びを満喫している姿なのだと納得したのでした。
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