若原正己氏の「なぜ人は争うのか」の中で、日本人は、1万年以上の縄文時代と600年間の弥生時代の後に、本格的な日本文化である古墳時代が始まったと書かれていました。縄文時代は1万年という長期に渡っていることから、現在の日本人の心身のベースはこの時代に形作られてほとんど変化していないそうです。
日本の縄文時代の特徴は、狩猟採集生活が主でありながら、農耕定住生活も併用していたということです。
狩猟採集生活は基本的に集団全員で獲物を分け合い、メンバー全員が平等で階級のない社会です。
農耕生活は、食料の保存ができるようになったことから、その量の多少によって貧富の差が生まれ、その結果階級が生まれ、それが国家へと発展していきました。国家に発展する過程で、他の集団と食糧や領地や女性を奪い合い、争いが生じるようになりました。
私たち日本人は、他の大陸の人種とはことなり、比較的温暖な気候の下、平等な狩猟採集生活を送りながらも、農耕によって定住し、安定した食住環境で1万年に渡って送ってきました。
孤立した島国ということが遺伝子レベルでの純化に、そしてそれが環境のもとで発現される表現型において、他の人種とはころなる日本人の体質や気質が形成されてきたようです。
遺伝子レベルでは、大陸で死に絶えた(絶滅?)種類のものもかなり残っていて、日本人はアフリカを起源としてそこから出立したホモサピエンスの袋小路=吹き溜まり?のようです。
それが日本列島に長年古くから移住し定住していた縄文系のルーツと後に大陸からわたってきた弥生系とが混じりあって、現在の日本人が生まれてきました。
この縄文人のメンタリティーは日本人の気質の奥底に流れているものではないかと感じます。
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