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帰るか?帰らないか?

 お盆の帰省時期を迎え、全国の帰省客を迎える地域は、コロナ感染対策として、帰省自粛を呼びかけるところ、そうでないところ、喧々諤々の異論噴出です。

 私も地方出身ですが、帰省の目的は盆暮れに親や親類縁者にあうことではなく、山口の認知症初期の独り暮らしの86歳の母親を3か月に一度定期的に3日ほど帰省する「介護帰省」をしていて、前回は6月初旬緊急事態宣言解除後すぐ、次回は9月の初旬の予定です。

 6月に帰省する際には、母のケアマネの方から事前に電話があり、私が帰省することになると、母の週2回のデイケアやヘルパー訪問は、2週間中止になることを知らせる電話でした。

 実家は過疎の田舎で、帰省しても私は実家に一日中いて、あれこれ用事をするだけなので、母以外の接触はないので、もし感染させるとすると母以外にはないので、万一の被害は申し訳ないけれども母に限定されいます。

 あまり事態を把握していないであろう母が、娘と会うことを強く願っていることと、認知症の進行度合いをこの眼で確かめたいという私の想いと、母と意識がはっきりして話せる機会はどんどん失われていくことから、帰省の機会を失いたくないという思いで、空港からの乗り合いタクシーも休止で、路線バスを3時間も乗り継いで実家にたどりつかなければならなかったけれども、母の喜ぶ顔を見れて帰省して良かったと思いました。

 ただその後2週間母がだれとも接触しないので、認知症が進んではいけないと毎日電話するのが少々面倒(笑)でしたが。

 9月に予定の帰省も、多分コロナ流行は収まっていないでしょうが、実行すると思います。

 そのための自分にできる対策として、東京で感染予防は徹底すること(手洗い、マスク着用、日常品の買い物以外で歩かない)、少しでも体調が悪かったら、帰省は控えることを心掛けるようにします。

 最近あまり聞かなくなった「三密」を避けることが、新たな感染予防に最も有効なので、それを徹底していれば、いたずらに自粛することはないと思うのですが。

 去年の今頃、認知症の症状が出始めて、「今を措いてはもう後がない。」と決意して、以前から北海道に行きたいといっていた母の尻を叩いて、強引に北海道旅行に「連れ出し」ました。

 道中、「疲れた」を連発していて、私の自己満足のために母に無理させたかなあと反省していたのですが、最近になって「去年北海道に行っていてよかったね。今年だったら無理だったね。楽しかった。」と旅行の内容はほとんど覚えていないであろうに、楽しかったという感情を抱いていてくれて、あの時、無理にでも、多分母と娘の一生にいちどだけの二人の旅行になるであろうことが実行できたことを良かったと思っています。

 だから、コロナ感染のリスクもあるでしょうが、スマホも扱えない独り暮らしの母と会うために、次回も帰省(9月だけれども)するつもりです。