· 

科学的思考とは

 為末大氏がブログで「科学的思考とは、物事を説明しきろうとする姿勢」と書いていました。

 オリンピック受賞のハードル走者である為末氏は、大学時代からコーチをつけず、自分自身をコーチとして自分の走りを改良し続けました。

 その際に徹底的に自分の走りを客観的な視点で捉え、データと自分の感覚で判断し、走りの向上につながる知識を試行錯誤しながら取り入れていったようです。

 それはまさに「科学的思考」言えるもので、そのような思考法を為末氏は「物事を説明しきろうとする姿勢」、つまり、その知識が必ず走りの向上につながる原理が、原因から結果に至るプロセスが、スポーツにありがちな根性論に流されずに原理的に説明できること。そしてそれをしようとする姿勢だといいます。

 為末氏のそのような「科学的思考法」は、ハードル走法だけでなく、氏自身の生き方につながっていると思われ、現役引退後のビジネスや著作活動にも生かされているように感じます。

 それは走るという個人の肉体を通じての感覚をとことんまで言語化してきた思考法が、自身の想いを実現するためには他者の協力を得なければならないというその後の場面において、自分の想いを言葉で表現しそれを伝えていくことに生かされていて、それが周囲の人々の協力を得やすい環境を作り出しているのではないかと感じます。