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感染の実態

 朝日新聞の34歳の女性記者が新型コロナウィルスに感染し発病し入院退院したまでの経緯を記事にしているのを読んでいます。

 感染者の実態というものを初めて知りました。

 彼女のように新型コロナウィルス感染についての知識もあり、他の感染者から感染力の強さ、対処法などを知っていて、感染前には取材はすべて電話やネットであったとしても感染してしまう、誰でもどんなに注意していても感染してしまうということを改めて感じました。

 最初彼女が感染を自覚したのが味覚症状でした。それ以外の体調は良かったようです。

 その段階で感染を自覚するのは難しいでしょう。しかしその時が最も感染力が強いのがこの新型コロナのやっかいな特徴であり、感染を拡大する要因でもあります。

 幼い1.3歳の子供を抱えて、夫には持病がある家庭環境で、感染の事実を知るためのPCR検査を受けようにも保健所につながりにくく、病院はたらいまわしにされる状態。

 新型コロナ感染に対して、感染の有無を調べるためのPCR検査がこれほど受けにくいとは、この感染力の強い病に対して、感染を広げてしまう要因になると強く感じました。

 そして彼女の場合、症状が強くでても、治療のため医療機関に中々入院できず、幼い子供のいる狭い自宅で必死に家族に移さないように苦しい症状が出ている中で、自分自身で感染を防ぐように努めなければならない苦境。

 後に重症化して入院するようですが、医療現場がひっ迫している事情があるとはいえ、感染症状に苦しんでいるのに、医療へと結びつかない不安と苦しさは想像以上のものでした。

 このように日本の場合(PCR検査の制限をして)医療を受けることを制限したおかげ?で医療崩壊を踏みとどまることができたようですが、その陰には感染症状がでても、なんにも治療してもらえない患者が多くいたという事実を受けとめなければならないと思いました。

 新型コロナウィルス感染の特徴は、2割の重症化とそれ以外の差が大きいということで、それ以外の人は積極的に治療するよりも、症状が落ち着くまで隔離するという方法は理に適っていると思われますが、感染を広げやすい潜伏期間、もしくは初期の段階で、速やかに感染者を判明して隔離することが求められていると強く感じました。