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体の声を聴く

 尹雄大著「体の知性を取り戻す」は、幼いころから、学校の集団行動や、様々なスポーツや武道を通して、

 体を外からコントロールされることに慣れていて、

 体の痛みや違和感を無視してきた体験に触れています。

 痛みや違和感は、体が本来の状態から逸脱しているということを警告するものであるのに、

 それを耐えることが、社会が求める体の型にはまるための手段であるということ。

 しかしその心地悪さに尹氏の体が耐えられなくなり、ある日そのような身体の使い方ではない武道に出会い、

 からだが本来ある状態になったときに、その潜在力が想像を超える力を発揮することを目の当たりにして、

 体の声に耳を澄ますようになっていきました。

 私たちは子供の頃の無意識の自由奔放な身体を忘れて、社会が求めるコントロールしやすい、画一的な行動を取れるような体の状態に自己規制していることに気づかないでいます。

 そのような体の状態がもたらす不快感が慢性化してしまい、それが精神的なストレスとなって、

 体がもたらす本来の心の底からのおおらかさを失っていると尹氏は、武道の実践を通じて気づいたようです。

 私たちの体がそのような呪縛から解放されるためには、常日頃から自分の体に意識を向けて、

 体の発する声に耳を澄ませる必要があると思いました。