ロシア研究家の中部大学の酒井氏の論座掲載のプーチンに対する評論は、
今や世界中で「悪の根源」とされている日本人のプーチンに対する見方が、
かなりアメリカよりの情報に支配されたバイアスの強いものだということを改めて知らせてくれます。
新ロシアを表明しないまでも、反対表明をしないでいる国(代表的なのは中国とインド)は、中東諸国(イランと友好を結ぼうとしているアメリカに対する非難)をはじめ結構いるということも初めて知りました。
それがSWIFTをはじめ様々なロシアに対する経済制裁にも関わらず、あまり効果をあげていない(ルーブルはウクライナ侵攻以前の水準に戻っている)理由ということです。
そしてその中で、精神的に狂っている、常軌を逸しているともみなされているプーチン氏の精神状態はどうなのか?を握る鍵として、彼が信頼をおいているロシア正教の教父との強い関係について書かれていました。
ロシア人にとって、ロシア正教の教父の存在は、私をはじめ無宗教の日本人からは理解しがたいものがあります。
それを強く感じたのは、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の中で末っ子のアレクシスがロシア正教の神父になるべく出家して、そして教父であるゾシマ長老を深く尊敬し帰依している様子でした。
その神とも言うべきゾシマ長老が死んだ際に、人間としての肉体の死を見せつけられた時、アレクシスの心に不信が芽生えるというものでしたが、ロシア人のロシア正教の信仰の深さと、それを体現する教父への絶対視を知りました。
プーチンの心の中を知るには、もしかするとロシア正教と教父の存在が鍵となるかもしれません。
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