免疫学者宮坂昌之氏の著書の中で、「免疫力を高める」方法について、科学的に正しいと思われることが挙げられていました。
免疫学者として、巷に氾濫する「免疫力を高める」と言われる食品やサプリや特定の運動などに対しては、立証データがなかったり、免疫学的に問題に感じられることがほとんどのようです。
科学的にも立証されている最も免疫力を高めるものはワクチン接種だそうです。
ワクチンはヒトがもともと持っている免疫システムを強化することによって感染予防を強化します。
ワクチンは対応する病原体の性質によって効果が立証されている様々な方法があり、ワクチン接種の方法は様々ですが、これも巷に溢れている「ワクチン無効説」や、「ワクチン害毒説」に惑わされて、子供のワクチン接種を控える親がいることに宮坂氏は警告を発しています。
必要なワクチン接種をしないことで、感染予防、もしくは、例え感染したとしてもしていないときよりも軽症ですむからです。
それはワクチン接種による「副反応(のぞまない反応)」の発生率をはるかに超えて有効性が立証されているからです。
さらにみんながワクチンをしてその病原体に対して免疫を獲得する「集団免疫」によって、感染予防しにくくなります。
ワクチン接種をしないことは、その子当人だけでなく、周囲への感染可能性を高めてしまうことがあります。
ワクチンの種類によっては、インフルエンザウイルスによるワクチンのように、4か月しか効果がなく、高齢者には30~40%の有効率しかないものもありますが、それでもしないよりはしたほうが軽症になる確率が高く、注射の痛みや副反応の不快さにもまして、有効だと思われます。
人間は実際に痛みや苦しみを経験しているときには、それを取り除くためにどんなことでもしますが、あらかじめ想定されるだけのものに対しては、中々イメージすることが難しく、ワクチン接種はその代表例のようにも思われます。
ワクチン以外に免疫力を高めることに科学的に有効だと思われるのは、血流やリンパ液の循環を良くすることだと宮坂氏は言っています。
なぜならば、免疫細胞を作っている骨髄や胸腺と、実際に免疫細胞が働く場であるリンパ腺や臓器は、離れているため、二つの間を血液やリンパ液が循環することによって、必要な免疫細胞が多く運ばれることができるからです。
またストレスはステロイドホルモンを産出し、ステロイドホルモンは強力な免疫抑制作用があるため、免疫力をさげてしまいます。
また免疫細胞である白血球は37℃ぐらいが良く働くので、ゆっくりとお風呂につかることも有効なようです。
宮坂氏のお勧めの免疫力を高めることは、ゆっくりとウオーキング(体に負荷がかかりにくく、血流が良くなる)です。
コロナ禍で、ストレスが溜まりがちですが、心をゆったりと構え、適度に体を動かすという体に心地よいことが、免疫力を高めコロナに打ち勝つ方法だというのは、ラッキーだと感じました。
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