ルトガー・ブレグマン著「希望の歴史 上・下」を読んでいます。
ブレグマン氏は、これまでの歴史はヒトの性質が性悪説的観点から綴られてきたが、真実の歴史はそうではなかった。往々にしてセンセーショナルなニュースの方が人の好奇心を惹きつける傾向があるし、
ヒトが進化上獲得した「ネガティブバイアス」は過酷な状況で生き延びるのに優位であったこともあったからだと。
しかしブレグマン氏は今まで信じられてきた人間の悪意が象徴されていると考えられてきた歴史的出来事は、フィクションであり、歴史に埋もれた実際の出来事を掘り起こして、真実を明らかにしました。
でもネガティブな人間観に囚われている私たちは、にわかに氏の説を信じることはできません。
「オメデタイ」、「楽観的過ぎる」、「それはごくまれに生じること」。。。
人類が性善説である説が肯定されるのに、進化論的メカニズムがあるとブレグマン氏は推測します。
それは人類が長い時間を過ごした狩猟採集生活の時代には、人々は平等で助け合った方が生存上優位であり、そのような気質の人々が子孫を多く残してきたことが、現在の我々の気質の中に受け継がれていると。
ブレグマン氏がこのような「希望の歴史」を主張するのは、人類の関市が性悪説であるということが私たちに与えるマイナスを克服するためです。
もしこれが真実ならば、人間の性悪説が所与としてそれを克服するために必要とされる宗教の機能などが無効になってしまうかもしれない、大胆な説だと思いました。
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